「転職すると年収が上がる」は本当か?

転職を希望される方の面談をしていて、現年収と希望年収をお伺いすると、ほぼ100%の方が年収アップを望みます。また、年収アップが転職の重要な理由の一つであることもよく見られます。

しかし、転職して本当に年収があがるのでしょうか?

また、転職回数が業務経験に比して多い場合あまり良い印象を与えませんが、転職回数が多いほど年収はステップアップで上がるのでしょうか?

今回は転職と年収の関係について考えます。

転職で60%の人は年収アップしない

厚生労働省「平成27年転職者実態調査」によると、転職によって賃金が「増加した」が 40.4%、「減少した」が36.1%、「変わらない」が22.1%となっています。

つまり、転職で年収がアップするのは4割の人のみということが分かります。

転職回数が多い人ほど年収が下がる?

少し古いデータですが、typeによる「転職回数ごとの年収調査」によると、転職回数が1回の人が最も平均年収が高く、2回目以降は転職回数が増えるほど平均年収が下がることがわかっています。

出所:https://type.jp/s/nenshu/vol001.html

またdodaの調査でも、年収アップ率が最も高くなるのは1回目の転職だという調査結果があり、もし転職アップをねらうなら1回目が最も可能性が高いということが分かります。

出所:https://doda.jp/guide/manual/1/004.html

ただ、転職回数が多くなるほど、平均の年収アップ額は多くなる傾向にあります。

これは、2回目、3回目の転職する時点で年収が上がっているため、年収アップ率が低く産出されることを表しています。

<まとめ>
転職回数が増えるほど平均年収は下がる
回目の転職が、最も年収アップを狙いやすい

転職によって生涯賃金も減少する?

収入面で、考えるべきは年収だけではありません。退職金も重要な視点です。

一般的に、長く勤める人ほど退職金の金額は大きくなり、転職をすると退職金は一定割合減少します。

独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)の「ユースフル労働統計2019」によると、転職による退職金の減少率は、25歳の時点で大学・大学院卒で10%ダウン、40~45歳の時点の転職でもっとも減少率が大きくなるという調査結果があります。

月々の給与と退職金をあわせた生涯賃金でみても同様に40~45歳での転職が高いという結果になっています。40~45歳までは年齢とともに生涯賃金の減少率が大きくなっていく傾向にあるため、早い転職ほど影響を受けにくいということが分かります。

<まとめ>
転職によって、退職金の減少率に影響がある
40~45歳での転職(1回目)が最も減少幅が大きい

短期的な年収アップより、長期的な視点でとらえよう

では、年収がアップする転職とはどのような転職でしょうか。

前述の「ユースフル労働統計2019」によると、転職によって賃金アップ率が特に高い業界は製造業、情報通信業(IT業界)、金融・保険業という結果になっています。業界ごとに売上規模やビジネスモデルが異なるため、同じ年齢や階級でも平均年収が異なる場合があります。

つまり、需要の高い業種や売上規模の大きい業種、人件費の割合が高い業種などは年収が高くなる傾向にあるといえます。

職種においても同様に、将来的に需要が高いと予想される職種や希少性の高い職種は年収が高くなる傾向です。

ただ、職種や業種をかえる転職は、未経験での転職になるため、転職時での年収アップは狙いにくいでしょう。しかし、その現場で実績を積み、業務経験を得ることで、結局は前職の同条件のポジションよりも年収アップを実現できるということは十分検討できます。

<まとめ>
転職時はしゃがんでも、長期的に年収アップの伸びしろがある転職を

<この記事のまとめ>
そもそも転職によって年収がアップする人は半分以下
退職金まで見据えて考えるべき
年収アップの伸びしろが期待できる転職をするべき

「転職すると年収が上がる」は絶対ではない!というお話しでした。

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