「手に職つける」って何?

20代の方で、「手に職つけたい」というご相談がよくあります。手に職をつけるって、よくある表現ですが、実際何なのでしょうか。

手に職ってどういうこと?と聞くと、「ITエンジニア」と答える方が多数。

手に職=ITという意見が多いようです。

なぜITエンジニア?と聞くと、「専門性があるから」。

つまり、手に職=専門性があるということのようです。

専門性がある/ないって、どういうことなのか?を考えてみます。

専門性があると有利?

「専門性」はある特定の分野に特化してスキルや知識、経験があることをさしていると思います。専門性があると転職しやすい、キャリアアップしやすいと言いますが、本当でしょうか。

なにかに特化することは、チャンスであるとともに、リスクでもあると思います。

例えば、ある特定の技術分野のスペシャリストとして長年経験を積んでいても、マーケットでの需要が減ってしまったら、そのスキルの価値は高いといえません。

家庭用デジタルカメラの製造技術にどれだけ精通していても、スマートフォンがこれだけ普及した今ではその知見に以前ほどの価値はありません。

専門性代表格であるプログラミングスキル、エンジニアリングスキルについても、今価値の高いスキルが将来もそうであるとは限りません。

つまり、専門性を磨き、とがればとがるほど、価値が高くなると同時に、その専門性が足かせになるリスクを抱えるということです。

「専門性を身に着ける」となにがいいのか?

「専門性がない」という人が、自分のキャリアについておっしゃる表現の一例です。

・新卒から事務を担当しており、誰にでもできる仕事をしている。
・もうすぐ30だが、これまで部署異動が多く、深く打ち込んだ仕事がない。キャリアの一貫性がない。

専門性は、一定期間集中して取り組んだ業務経験であり、その経験を通じて、簡単にまねできないスキルを身に着けていること、と認識している人が多いのではと思います。

「専門性」「手に職」が意味するところは、「希少価値の高い仕事をする人」「レア度の高い人材」ということなのだと思います。

自分の専門性を認識する

まず、自分が経験してきた業務が、どの専門分野に当たるのか?を認識するところから始めてみましょう。専門性の一つの観点として、職種・業種が考えられます。

職種:営業、営業企画、マーケティング、エンジニア、人事、総務、労務、広報、経理、事務、等
業種:農業、漁業、製造、商社、IT、建設、金融、サービス、福祉、等

これらの職種において、どんなスキルを用いてきたかを考えてみます。

スキルには、特定の職種や業種に必要とされる「テクニカルスキル」を想像しがちですが、論理的思考や課題解決スキルなどの「コンセプチュアルスキル」、交渉力やコミュニケーション能力などの「ヒューマンスキル」もスキルのひとつです。

テクニカルスキルが見つからないという人も、これまでの業務を振り返り、そこで得たスキルをコンセプチュアルスキル、ヒューマンスキルに言語化してみましょう。

スキルについてはこちらの記事を参照:

職種について、厚生労働省がまとめている「職業能力評価基準」の一覧表を見ると、経験年数に対して、自分はどのくらいの経験値をつんでいるのか?の目安になります。

バックオフィスはほぼ網羅されていますが、それ以外の職種はかなりばらつきがあるので、当てはまるものがある場合には参考に、、

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000093584.html

自分の専門分野が認識できたら、次に、専門性を磨く方法を考えます。専門性を磨くには、二つの方向性があります。

「専門性を磨く」=「ユニークな存在になる」には

専門性を磨くというのは、簡単に言うと「レア度が高い人材になる」ということです。なかなかみつからない希少ポケモンになるということです。

そのために、二つの方向性があると考えています。

①スキル×経験

自分がもつ専門性において、経験を掛け合わせる方向です。経験とは、マネジメント経験や、困難なプロジェクトの挑戦経験などをさします。

専門性が必要な仕事はミドル層に回ってくると考えられがちですが、専門性が必要な仕事こそ、若手に回ってきます。ここでいう専門スキルは、テクニカルスキルのことをさしています。テクニカルスキルというのは、実は勉強すれば身に着けられます。資格勉強と同じです。

例えばウェブマーケティングの例で考えてみましょう。若手は広告運用など、その分野の専門知識を用いた業務を行います。一方ミドル層は、これらの知識をもとに、広告を用いたプロモーション全体の企画を考えます。シニア層は、これら企画の年間計画や予算、チームのマネジメントを考えます。経験値が大きくなるほど、現場の作業からは手離れしていくのです。

20代はスキル、30代はより業務を俯瞰する経験をとり、スキルと経験を掛け合わせることでレア度が高まります。

②複数ドメインのスキルを2つ~3つもつ

「T字人材」という言葉があります。一つの分野に特化しながら、その他のビジネス分野についても浅く広く知っている、という人材のことを指します。

しかし、最近だとT字では不十分で、2本足の「π字」やそれ以上のドメインをもつ人も増えています。1つの専門性において100分の1の人材であるよりも、10分の1のレア度がある専門性を3つ持っているほうが、10×10×10=1000(分の1)となって、レア度は高くなります。

3つの柱を持つことについては、株式会社リクルートフェロー、『必ず食える1%の人になる方法』の著者である藤原和博氏も有効であると伝えています。

キャリアの3本柱をつくるには?

複数の専門性を身につけるには、現職で異動するか、副業するか、転職するかの方法が考えられます。ここで、転職する場合を考えてみます。いわゆるキャリアチェンジ、キャリアシフトと言われる、未経験職種へのチャレンジ転職をするにはどうすればいいでしょうか。

前述のように、スキルは学ぶことができます。つまり、本当は何歳からでも新しい職種にチャレンジできるのです。ただ、未経験転職に有利なのは、実際は20代、30代過ぎまでです。なぜなら、年齢を重ねるごとに、即戦力がもとめられるようになり、転職の競争率が高くなるからです。

そして、未経験転職は、企業にとってもリスクの採用になるため、年収条件も前職と同じというわけにはいきません。それでも、もし今の職場で得られる経験値やスキルセットが自分の求めるところではないと考えるなら、一度条件面や年収でしゃがんだとしても、新しい分野にチャレンジしていいと思います。もちろん、自分だけの事情ではないこともあると思いますので、年収の判断は自己責任にて。

ぜひ、自分の価値を高め、自分が納得できるキャリア形成を考えてみてください。

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