LinkedInにいない人は転職エージェントにとって存在しない人
ビジネスSNS「LinkedIn」に登録する日本人は、およそ200万人。ポジションのオファーを送るときLinkedInを使うのですが、LinkedInに登録していない人は認識できず、オファーを送ることができません。
日本の労働人口は約6000万人なので、LinkedInが世界だとすると残り5200万人は「存在しない」と同義です。
極端な言い方をしましたが、テレワークが普及し、デジタルIDやデジタル上の履歴で人が認識される時代において、「デジタルIDが存在しない」=「この世の中に存在しない」と同じになったと思います。
デジタルID=私
コロナウィルスの感染防止のため、対人接触が極端に控えられるようになり、みんながデジタルでコミュニケーションを取るようになりました。
営業も、飲み会も、学校も、オンライン。
その人がどういう人であるかは、デジタル上の履歴から確認します。
上長からの評価は、デジタル上に残された作業日報やテレアポ記録、エンジニアであればGitHubの成果物を見ることになるでしょう。
学校の成績もデジタル上のテスト結果で見ます。
信用は、決済履歴や支払履歴などのデジタルクレジットで確認。
人格や趣味、家族構成、思想はSNSの投稿内容をクローリングすることである程度認識できるでしょう。
デジタルIDとIDに紐づく情報群がすなわち個人になります。
逆に言うと、デジタル上に存在しなければ、その人は世の中に存在しないことになってしまうのです。
どのプラットフォームでIDをとるか

デジタルIDと一言でいっても、私たちは無数のIDを管理しています。
Facebook、Twitter、Instagram、LinkedIn、オンライン新聞購読のID、勤怠管理クラウドサービスのID、・・・
問題なのは、オンライン空間の中では、プラットフォーム同士の情報連携が途切れていることです。
Facebookの中の早坂は、FacebookIDに紐づく情報によって形成されます。
Twitterの中のはやさかは、TwitterIDに紐づく情報によって形成されます。
LinkedInの中のHayasakaは、LinkedInIDに紐づく情報によって形成されます。
それぞれのプラットフォームで共有する情報も、つながっている人の属性も、全く異なります。
Facebookの早坂と、Twitterのはやさかと、LinkedInのHayasakaはもはや別人です。
それぞれのプラットフォームで形成されているソーシャルネットワークが交わることはあまりなさそうです。
それぞれのプラットフォーム圏のユーザーがプラットフォーム内完結でコミュニケーションを行うことになります。
所属するコミュニティも主体的に選ぶ、選ばざるを得ない

デジタル上のコミュニケーションの特徴は、一方向的で、目的遂行型ということです。小学校(公立)や、地域の自治体など、自分から選ばなくても住んでいる場所で勝手にコミュニティに参加していたということがあったと思います。
オンラインでは、「勝手に参加している」ということが起こり得ません。
IDがなければ存在もしませんが、IDがあっても、誰ともつながっていなければ存在を認識されません。コミュニティひとつとっても、仕事、学問、趣味など共通点でつながるコミュニティを主体的に選び、自ら参加する必要があります。
デジタル上の人生
世界ではしばらく移動の制限が続き、移動をしなくても生活や企業活動ができるよう適応していくでしょう。すると、物理的に接するのは地理的に無理のない距離内のコミュニティに限られ、リアルなコミュニケーションはグローバルからローカルに変化していくでしょう。
一方これまでリアルで行われていたあらゆるコミュニケーションがデジタル化されたことで、非対面で実現できるビジネスや趣味などのコミュニティは世界のあらゆる場所とつながって形成されることでしょう。
「自分が何者であるか」をデジタル空間に残していくことは、今後きっと今より大きな意味を持つようになります。
何が言いたいかというと、みなさんLinkedInに登録しましょうということです。笑