「キャリアの軸が分からない」という人へ

「今の仕事が合わない。でも、何をやりたいかわからない。キャリアの軸がない」

こんな風に悩んだことがある人は少なくないはずです。

キャリアはしばしば悩みの原因になります。

では、なんでキャリアに悩むんでしょうか?

そんなに人を悩ませるキャリアって何なんでしょうか?

キャリアに悩まされたことがある人はぜひ考えてみてほしいです。

キャリアって何?

「キャリアとは何か、説明してください」と言われたら、何と説明しますか?

職務経歴が最も分かりやすいキャリアですが、職務経歴がキャリアだとしたら、家事を専業とする主婦(主夫)の方にキャリアはないのでしょうか。学生時代はキャリアに含まれないのでしょうか。

「キャリアの父」と呼ばれるドナルド・スーパーによると、キャリアは次のように表現されます。

①人生を達成する一連の出来事。自己発達の全体の中で、労働への個人の関与として表現される職業と、人生のほかの役割の連鎖。

②青年期から引退気に至る、報酬、無報酬の一連の地位。それには学生、雇用者、年金生活者などの役割や、副業、家族、市民の役割も含まれる。

つまり、報酬・無報酬に関わらず、経歴や経験など、一定の時間の長さをもつものをキャリアと呼ぶようです。なので、学生時代の経験もキャリアだし、ボランティアもキャリアだし、子育てもキャリアです。キャリアを積んだ結果、何らかの能力が身についていきますが、この身についた能力や、その結果得た地位・役職のことも、キャリアと呼びます。

キャリアを構成する要素

「職務」「役職」「役割」「スキル」のような、いわゆる職務経歴に書く内容をキャリアと言いますが、それと同時に、「価値観」「マインド」「考え方」「嗜好(好き・嫌い)」といった、自分の内面もキャリアを構成する要素です。

前者の職務・役職といった客観的に評価できるキャリアを「外的キャリア」、後者の価値観・マインドといった主観的なキャリアを「内的キャリア」と呼びます。キャリアはこの外的キャリアと内的キャリアの複合によって成り立っています。例えば、昇進によって管理職を任され、マネジメントを経験する中で自分の価値観や考え方、働く動機が変化していくことが考えられます。その結果、転職や独立を考えるなど、外的キャリアに影響を与える可能性もあります。

このように、外的キャリアと内的キャリアはお互いに影響を及ぼしあっているのです。

キャリアって作れるの?

「キャリア」とつく言葉には、「キャリア形成」「キャリア開発」「キャリア選択」など、自分の意思でキャリアを作るような表現があります。じゃあ、キャリアって作れるものなんでしょうか?

私が思うに、キャリアは自分で作ることもあるし、勝手に作られることもあると思います。それが自分にとって納得のいくキャリアになるかどうかは、自分の捉え方と、そのうえでちゃんと意思決定をしたかによると思います。

「プランド・ハプンスタンス(計画された偶発性)」という理論があります。これは、人生はすべて自分の思うとおりに行くことがない、だからこそあえて偶発的な出来事を自分から作り出すことで、自分で気づかないような潜在的な可能性をひきだすことができるという考え方です。

思ってもみなかった異動、昇進、家族の病気など、予期しない様々なことは必ず起こります。そういう意味で、勝手にキャリアが作られることもあります。一方、その偶発的な出来事によって、自分にどんな変化があったのか?その変化は、自分にとっていいことなのか、悪いことなのか?悪いことだとしたら、いい方向に変えるためにどうしていくのか?を考え、行動することは、自分でキャリアを作っている行為だと言えると思います。

そんな偶然性の中、今自分のキャリアがどこにあるのか、指標になるのが、先ほどの「外的キャリア」と「内的キャリア」になると思います。

「外的キャリア」については、例えば自分が目指す年収額を得るために、必要な役職は何か。自分の適性にあう仕事をするための職務は何か。その目標に対して、今どこにいて、次のステップは何が考えられるか。外的キャリアをとっかかりに、現在地と進む方向を確かめることもできるでしょう。

「内的キャリア」については、価値観や大事にしたい考え方が、今の仕事で実現できるのか?を考えるときのよりどころになります。

ちなみに、内的キャリア・外的キャリアを提唱したエドガー・シャインは、内的キャリアには次の8つのタイプがあると言っています。

・専門を極めること

・人びとを動かすこと

・自律・独立して仕事ができること

・安定して心配なく仕事ができること

・絶えず、起業家として(あるいは、起業家のように)なにか新しいものを創造すること

・だれかの役に立ち、社会に貢献できること

・自分にしかできないことに挑戦し続けること

・仕事と家族やプライベートのバランスがとれるライフ・スタイルを実現すること

キャリアの軸の考え方

「仕事が合わない」と感じるとき、外的キャリア、内的キャリアでその不適合を考えることができます。

求められるスキルや、自分がふさわしいと考えるポジション・年収と比べて合わないのか?

職場の働き方や職場にいる人が、自分の価値観と合わないのか?

「やりたいこと」から仕事を考えると苦しくなることもあります。なぜなら、やりたいことを見つける人はなかなかいないからです。やりたいことから考えるのではなく、職務内容や、自分の価値観から仕事をとらえ、なにを合わせるべきかを考えてみてはどうでしょうか。

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